国や大都市の予算などは、額が大きすぎてなかなか理解できない.しかし、解る範囲の小さいところを見ると、なぜこんなことが?という疑問だらけだ.

Noro153+EN2011-08-27


今日の「毎日jp」のニュースに「東日本大震災:仮設住宅に緑のカーテン 季節外れなのに・・」という記事があった.
岩手県で約8000戸、福島県で約5000戸の仮設住宅にゴーヤの苗を植えたプランターを設置するという.厚生省が被災7県に(7月)通知をだし、最大9割が国庫補助の対象になる.岩手県は一戸あたりの設置費を21,000円と見積もり、総額1億6800万円の予算を設置.福島県は一戸8〜9千円を見込み、今月から設置を始めた.

問題点

  • 今からゴーヤの苗を植えて「緑のカーテン」は、季節外れ
  • 苗とプランターでどう見ても千数百円しかかからないはずなのに「予算21,000円」
  • 約9割が「いらない」としたが、ほぼすべての仮設住宅に無造作に置かれた

岩手だけを見ても、総額800万円程度でできそうなこと.では、残りの1億6000万円はどこへ?家庭なら余った予算は別のことに使えるが、行政の予算なので、他の事には使えない.考えられる事はいつも通り、その行政と付き合いのある造園業者へ.そして、土地の政治家や役人にバックマージンと「ご接待」.

私の11年間の横浜での経験から言うと、それ以外考えられないし、すべての「予算」というのはそのように使われている.住民を利用した税金の無駄と腐敗.ダムや道路を作るという巨額になると一般市民は、理解できないので、巨額であればあるほど汚職しやすくなる.

例えば、沖縄の離島「伊平屋島」を見てみると解りやすい.伊平屋島は母が生まれた場所で、母が生まれた大正と昭和初期はとても豊かで、人口も6千人以上いた.かつての琉球王が生まれた場所で歴史も長く、農業と漁業を中心に豊かな文化を築き、もちろん持続可能な社会であった.

現在の人口は、たったの1319人.今でも毎年数十人が島を去っていく.島の政治は完全に腐敗.ウィキペディアに出ているゴミ焼却場の汚職など氷山の一角でしかない.あの小さな島で、ダム建設、人の全く通らない島一周の舗装道路、宅地造成・・・・ 

南国の緑豊かな島に元々ある樹木をすべて伐採し、そこに台湾やフィリピンからヤシの木などを輸入し、ヤシの並木道にしたそうだ.何十億円かかけたものは、一年も保たなかった.自然の良港があり、必要もないのに一つ何百万円もするテトラポットが、何百個も置かれている.景観が台無し.「島の子供が内地へ行っても恥ずかしくないように」と必要もない信号機の設置.橋の架け替え.ありとあらゆる税金の無駄(汚職)が行なわれている.そして肝心の住民の生活は苦しくなるばかり・・・ 伊平屋島のサイトから「毎年成績優秀な1〜2名の中学生をアメリカへ送っている」らしい.なぜアメリカ?なぜ全員ではないのか?

必要もないエリート意識やヤッカミを植え付けるだけ.不正を正そうとする勇気ある島民は、もちろん「村八分」.このように小さな行政をみると、とても「日本の政治」が解りやすい.伊平屋島の行政と同じ事が日本全部ではないかもしれないが・・・そして規模が大きくなればなるほど汚職もやり易くお金も大きくなるのは間違いない.

私が伊平屋島の村長なら次のことをする.もちろん国と闘う事になっても実行する.

  • 一切の公共事業は20年のモラトリウム、やらない.
  • 5つの集落すべてに公共の無線LANを設置、全世帯が使えるようにする
  • 各家庭や学校にパソコンを配り、解らない人たちにはパソコンを教える
  • 全国からいらない本や雑誌を送ってもらい、各集落に図書館を作る.
  • 全国から同じようにいらない洋服などを集め、島民に配る.
  • 各集落の売店は村営とし、無料で生活物資を置く.
  • その売店には、例えば洗濯・乾燥機を置き、自由に使う.小さい電気製品や生活物資はここから家庭へ持っていき、使ったら返す.
  • 車やトラック、自転車すべてを村の共有財産にし、必要な人が使って所定の場所へ返す
  • 村長、議員、委員、役人すべて給料ゼロ.
  • 村としてのビジネス、フェリーや観光客の宿泊、塩やもずくでお金を稼ぎ、生活は全員無給、無料とする.

希望としては、全島の土地家屋は村の共有財産とし、個人や企業には売らない.必要物資はできるだけ島で自給自足しする.外から来る観光客は、フェリーや宿泊代だけ払い後は島民と同じように食費は無料.学校、田畑や漁業、清掃、図書館、パソコン教室、喫茶店売店、食堂、イベント、上映会、などすべてのことは無料で、やりたい人がやる.

島民の衣食住を保障した上で、島民の生活の向上を考えれば、汚職や環境破壊もなくなる.そして、すべて無料にすることで、堂々と好きな事に集中することができる.例えば、今まで漁師だった人はお金のために漁をするのではないから、当然海の自然を守る事になるし、それを観光客にも伝える事ができる.畑をやっていた人々は、観光客と一緒に有機栽培をやる.衣食住ときれいな空気と水を保障するだけで、世界中から先生をやりたい人たちが集まる.今は高校や大学の授業だって、インターネットを通し超一流の授業を無料で受けられる.島の外のお金のあるところへ観光に行きたい人は、村の貯蓄で行けば良い.アーティストやミュージシャンがそれだけやっていても良い.クリエイティブな人が多いほどその社会は発展する.

フェリー代と宿泊代(例えば一泊1万円)できた観光客は、他のことは全て無料なので、高くはないし、村の人々と自然の生活を経験する事ができる.それが気に入って住みたいと思えば、住民登録をした時点からすべて無料になる.

現在のお金の社会は世界中どこも崩壊へと向かっている.税金は無駄なことや人々が腐敗するために使われ、利益追求という企業思想は、人々の生活や自然環境を蔑ろにする.必ずはみ出し者を作る.伊平屋島は小さな島だからこそ、先頭に立って自給自足、持続可能な社会を目指す事ができるのではないか、と本気で思っている.私だって衣食住ときれいな空気と水と本物の自然が無料で提供されるところなら世界中どこへでも行きたいし、絶対に可能だと思う.去年から今年にかけて、船上という無給、無料の場所で5ヶ月ほど生活した.誰も何も命令しないが、50名全員が率先して船の生活や仕事をした.すべてを共有するから誰も何も盗まないし、村八分もない.もちろん無給の料理人が数名いて3食+豪華な料理が提供されるが、その他いつでも何でも好きなものを食べて良い.こういう状況だと人間は自分の得意な何かを率先してやりたくなる、命令ではない.私も得意の沖縄料理を振る舞ったり、やったことのない力仕事、船の操縦や関連機器の操作も楽しくてしょうがなかった.衣食住が有り余る状態なので、競争する必要もない.お金が絡まないとこんな状況だって作れるという確信がある.

追記:島の自然は有限なので自ずと適正人口が決まって来る.上記の大正時代の6千人のころより、自然が破壊され海の資源が減ったので、それよりも少ない適正人口かもしれない.

(怒られるかもしれないが写真は毎日jpから)