「ツァイトガイスト」というムーブメントが、世界的に広まりつつある.元々は数年前に、ピーター・ジョセフというアメリカ人が、金融資本主義を含めた現代社会の在り方に疑問を持ち「自己満足のために趣味で作った」フリーのドキュメンタリーが、沢山の人たちにショックを与え話題になった.

peterjoseph


その後、ピーターがフレスコというフューチャリストに出会ったことや映画が沢山の賞を獲ったことで、世界的なムーブメントとして始まった.

最初のドミュメンタリーは2007年に発表された時点では、作者のピーターは金融資本主義が世界の悪の根源であるとしながらも、次に来るべき思想には出会っていない.この映画を切っ掛けに、95歳のフレスコが一生かけて練り上げてきた「ビーナスプロジェクト」に感銘を受け、2008年にこの思想を加えた「ツァイトガイスト・アデンダム」というドキュメンタリーを発表した.

そして、2011年1月には「未来へ前進する・Moving Forward」という映画は更に今までの貨幣社会から、貨幣のない社会へのシフトを提案するドキュメンタリーを発表.

ピーターの「組織というものが、社会の腐敗に繋がる」ということで、このムーブメント・運動はほとんど組織化してなく、賛同するだれでもが自分のできるやり方で、この運動を広めている.そしてインタビューの中で、「最初の映画は、社会に対する怒りを、自分を納得させるために趣味で作った.その反響の大きさに(合計12の賞を獲得)驚いた.」としている.

貨幣社会を否定する(全て2時間以上の大作)映画なので、最初から全て無料で誰でもがネット上で見ることができる.二つ目の映画「アデンダム」は(ユーチューブや他のプラットホームを除き)平均5万ビュー/1日以上記録し、2009年8月には1千万を突破した

残念なのは、名前から(ドイツ語で「時代の精神」を意味する)何か新しい宗教かカルトかと思われること.ベルギーでは、ドイツ語の何か=ナチ、ネオナチ又は極右の何かと思われる.

私自身も数年前に息子から最初の映画を教えられた.その時はやはり「何かの新興宗教か?」と思った.私は無神論者の母に育てられ、10代のころからラッセルなどに影響され「無神論者確信犯」になり、一切の迷信や占いなど信じない.なので、疑い深く映画を見ると宗教に関しては全く同感、裏で世界を操る見えない権力に関しては、半分は知っていた.それでも組織化された政治集団や宗教集団は、関わりたくないと思っていた.

環境問題には昔から興味があることと日本滞在11年で「究極の大量消費社会」を見たことで、改めてツァイトガイストの映画や運動を徹底的に見てみると、私が探していた「資本主義の次にくる思想」だということが解った.

フェイスブックの2千人の友人達が関わっている、あらゆる環境問題、日本やアメリカなどの究極の大量消費社会が生み出す社会問題などのベースにあることが何なのか「ツァイトガイストの映画」を見ると良くわかる.そして今、大きな壁に打ち当たっている金融資本消費主義の次に来るのは、貨幣に変わる「地球資源をベースにした社会・ビーナスプロジェクト」だ.

簡単に説明すると:
現行の資本主義は、イス取りゲームと同じように必ず負け組、貧窮や飢餓を作り出すようになっている.何千年も前から、人間は解らないことには恐怖が伴い、それであらゆる宗教が発明され、改良や改修がなされた:キリスト教ユダヤ教もそれ以前の(メソポタミアやエジプトなどの古代文明)宗教から改修されたもので、おとぎ話のようなもの.そして、あらゆる一神教ユダヤ、キリスト、回教)とそこから生まれた全ての思想、共産主義社会主義、資本主義、軍国主義などはどれも「地球が有限であり、地球の資源も有限」であるということが考慮に入っていない.そのために自己破壊に至っている.(金融資本主義はあるエリートたちがゲームとして考えだした)

1916年にニューヨークで生まれたフレスコは、学校という組織に馴染めず独学だった.大恐慌、世界大戦などの社会を経験し、貨幣社会が人類を腐敗しているとし、技術と科学が人類を高い文明に導くと主張している.

全地球資源を調査し、それをすべての人類で分け合う.衣食住が保障されれば犯罪がなくなる.衣食住と自由が保障されれば、人間は自分の好きな分野を追求できる=高度な文明に繋がる.

フレスコによると(映画から)貨幣社会がなくなり、資源ベースの社会になると現在の全人口が豊かな生活をおくることができる・・・・

全ドキュメンタリー、インタビューなどの合計が8〜10時間にもなる.幾つかは日本語字幕付きも完成しているので、ぜひご覧ください

私自身も勉強中で、ベルギーのツァイトガイストの賛同者たちと定期的に交流している.フェイスブックには、各国の賛同者たちが作ったページ、日本もあるのでぜひ参照してください.