今日の”世界はおかしい”は、一つ楽しい変な話と、まじめに変だと思う話.地球の土地はだれのもの、がテーマ.

Noro153+EN2011-08-02


最近フェイスブックの友人に進められて読んだ「The Pirate's Dilenma・海賊のジレンマ」という本の中に、どこの国の領海にも入っていない、放棄された第二次大戦中の海の要塞を独立国として宣言した人の話があった.場所は英国のFelixstone の英国領海の外にあり、だれもいないので英国人のベーツという人がシーランド大公国として「独立宣言」をしてしまった.自国のお金、切手、市民権や貴族の称号までも売りに出した.日本語ウィキペディアにも詳しい話はあるが、英国は「戦中に税金で作ったので、今でも英国民のものだ」と海軍を出し奪還しようとしたが、シーランドもライフルで応戦.やむなく、裁判に持っていったが、英国司法は領海外のことなので、何も出来ない.シーランド大公が、首相に任命した元ドイツ人がクーデターを起こし、一時は成功したが、シーランド大公は、20人の志願兵とともに奪還し成功.そして、国外追放になった首相はドイツに戻りシーランド亡命政府を樹立・・・・ドイツが外交官をシーランドに送り・・・ というように沢山の面白い真剣なニュースがある.別の英語のサイトには、スペインの犯罪組織が偽造シーランドパスポートを使用したため、スペイン警察が調査に入ったとか・・・ この話はシーランド大公と住民数名の楽しい話だが、これが大きい規模になると・・沢山の犠牲が出ることになる.

欧州人は誰のものでもない土地、または人がいてもチカラづくで土地を奪ってしまう.欧州人というより人間はとした方が良いのか?数百年前に欧州では食べていけなくなった人々が大量に「新大陸」や植民地へ流れ出た.アメリカ、カナダを始め、チカラづくで世界各地の土地を奪い搾取し、開発という名の環境破壊を行った(っている).先日テレビで、ザンビアの大臣を加えた環境に関する討論番組があった.ザンビアでは、何十万頭ものアザラシを叩き殺し、毛皮産業や他の環境破壊が行われている.ザンビアの大臣は「(環境問題には全く無知だが)なぜ後進国が、先進国と同じように産業開発をしてはいけないのか?」と主張していた.欧州人がすでに取り返しがつかないところまで、環境破壊をした後に現地の人々が、残った資源を使い産業を起こすことに、中々文句は言えない.

去年から今年にかけて、オーストラリアのタスマニア島に合計6週間ほど滞在した.行く前には、初めてのタスマニアに、胸を躍らされていた.私が持っていたタスマニアのイメージは、多分ガラパゴスの次ぐらいに、自然の宝庫で素晴らしい場所・・・ しかし、期待は裏切られた.私はこの40年世界中を見ている、欧州はほぼ全域、中近東、アジア、北アフリカ、北米・・・ そしてタスマニアの自然破壊には、死にそうなぐらいのショックを受けた.あそこまでクリアな自然破壊は他では見たことが無い.良く言おうとすれば、人間の自然破壊の歴史が短いので(100〜150年ぐらい)破壊行為が目につきやすい.一番大きな町、ホバートの港から見える人家の無い丘などは、丸坊主.6週間もいたので、内陸部も行ったが、原生林地帯のかなりの部分は、すでに伐採されている.醜い伐採の現場まで目撃してしまった.ホバートの街もお世辞にも美しいとは言えない.沢山の地元の人たちとも友達になったが、この私の想いはだれとも共有できなかった.オーストラリア大陸から来る観光客や移り住んできた人たちはみな「タスマニアの自然は素晴らしい」と思っている・・・

ベルギーに戻ってから、ネットで調べたら案の定、タスマニアの歴史は酷い.白人はタスマニアに到着するやいなや、原住民は射殺、飼っている犬の餌として殺す、奴隷にする.何万年もの間、自然と共に生活していたタスマニアの原住民はたった数十年で、完全に絶滅されてしまった.最後のタスマニア人は1859年に死亡したという.タスマニア原住民の話を書いた本は、白人サイドなので原住民が絶滅したのは「伝染病によるところが多い」となっているが、これに騙されてはいけない.沢山の当時のノートなどを調べた人たちは、白人の残虐行為で絶滅した証拠を持っている.

それだけではなく、たくさんのタスマニアの動物や鳥類も絶滅した.このリストはオーストラリア全体だけど参考のために見てください.記録にあるだけで何十種類も・・:http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_extinct_animals_of_Australia

タスマニアの自然破壊の酷さ、元欧州人達の過去の残虐行為などを考えると「タスマニアの50万人は、全員オーストラリア大陸へ行って、島を自然に返してほしい」とつくづく感じる.

これを切っ掛けに、ふと考えると、欧州人(白人)以外で同じようにした人々はいるだろうか?日本だって、開国して白人から強制されて同じ道を歩み始めたが、それまでは自然と共生したすばらしい文明や文化があった.欧州人以外の世界の人々で、自然と共生していない人々はいなかったはず.だからその土地で何万年も生きてきた.このことをフェイスブックのあるグループで発言したら「白人、黒人、黄色人ではなく、”人類”がみな平等にこの環境破壊を行なってきた」そして私は人種差別者だ、と言われた.人種差別をしたことは一度も無いし、思いもしないが、ただ・・・

注目はボリビアボリビアでは初めて原住民が大統領に選出された・・・次に書くことにしよう.