私のフェイスブックの知り合いの9割以上は、環境問題や動物保護、人権などを真剣に考え、現実に活動している世界中の人々だ.2千人ほどの活動家と、ネットを通してコミュニケーションをしていて気付いたことを紹介したい.

自分の生活のために自分で獲った魚を売


その中の100人ぐらいは実際に会っている人々、博士号をいくつも持っている科学者や政治学者たち、何十年もその分野で活躍し、沢山の著書を出版、発表している人々だ.要するに、私と交流のある2千人近くの活動家は、真剣に地球のことを考えている人々なのだ.

フェイスブックというのは、自分のページを持ち友人達との交流の他、だれでもが何かのグループを作り、賛同する人々がそのページで交流する、という機能も持っている.その他目的達成のための署名活動も始めることが出来る.例えば、モンサントという巨大企業がGM(遺伝子組み換え)の実験をしているから、それに反対する署名をお願いとか、どこそこで動物虐待が行われていることを止めさせたい、など様々な署名活動や広報活動のやり取りがある.私の場合、結果として100以上のグループに参加し、毎日何十もの(ネット上で)署名を行っている.

現在日本で反原発を訴えている人々と同様に、それぞれが自分が扱っているテーマが最重要だと感じ、そのためには、惜しみないエネルギーを費やしているということが感じられるし、敬意を表したい.だから、自分ができることはできるだけやっている・・・

そうすると、一日に10〜50余りのメールが届く.署名してくれ、仲間を増やさなければいけないので、メールを出してくれ、寄付をお願いしたい・・・等など、際限のない要求が来る.もし、あなたに反原発や福島の人々を助ける活動をしている人がいるなら想像できるはず.やっていることは正しいし、凄いと思う.でも、それが私の周りには、反原発放射能汚染を何とかしたい、のと同レベルの深刻なテーマが何百もあるというのが、現状だ.

こんなことをしていて、ふとあることに気付いた.動物虐待や環境汚染・・・などは、永久に解決できないのではないか・・と.

例えば、中国の経済が上昇し、昔は裕福な人々だけが年に数回食べていた「フカヒレ」.近頃は需要が急上昇し、金儲けに抜け目の無い人たちは、世界中のフカ(サメ)を殺し、ヒレだけを集めている.そのためにほぼ全種類のサメが絶滅の危機に瀕している.原因は、人口が増えたことと、経済的に裕福になったのでみなが「フカヒレスープ」を食べるようになった、ということだ.フカヒレを商売にしている人々は、できるだけ利益を上げ金持ちになることが目的だ.だから、数が減ってフカヒレの値段が上昇することを、願っているに違いない.それが密漁でも関係ない、捕まらなければ.中国を含めた先進国の人々は、自分が捕まりたくないので、結果アフリカや南米又はアジアの現地の人々にそういうことをさせている.後進国の人々は、明日の食べ物を心配しているので、お金になれば何だってやる・・それは、経済的に厳しくなればなるほど、命をかけても密漁を続けることになる.

別の例をあげると、日本(世界)のペット産業がある.犬やネコなどの小動物は、だれでもがかわいいと思う.経済的に余裕が出てくると、かわいいペットや珍しいペットが欲しくなる.それはブランド品を見せびらかすのと同じように、ステイタスかもしれない.それより、そうやって需要があるところには、抜け目の無い商売人たちが小動物を商品として扱う.「利益を最大限に」をモットーにしている商売の達人たちには、動物に対する残虐行為も、世界で絶滅の危機に瀕している動物も関係なく「高く売れる商品」でしかない.日本では毎年、何百万もの商品としては売れなく、旬をすぎてしまった動物がガス室で殺されている.小さい時にかわいいと思って買った動物は、数年すると飽きてしまう、その時多分様々な屁理屈を考えて自分に言い聞かせるに違いない.例えば、引っ越しする、赤ん坊が生まれる、年老いた親が同居する・・そして、いらなくなったペットの動物を保健所に廃棄物として処分してもらう.欧州ではペット屋さんは無い.動物愛護が法律にあるので、動物を売ること買うことなどのとても厳しい規制がある.

動物や環境が犠牲になっている原因を考えると、資本主義や消費主義にたどり着く.それはお金とモノに対しての際限のない欲望.いす取りゲームではじき出されないための真剣な自己破壊でしかない.「自己」とは人類を意味しているが・・・

で、話をフェイスブックに戻すと、それぞれが自分がやっている、または関係しているテーマが最重要だと思っている.もちろん全ての環境問題は深刻な状況になっている.しかし、それは自宅で雨漏りがしてるから穴を塞がないと、というように一時の解決策でしかない.もし全世界でフカヒレスープ禁止令が発令されても、別の問題が次々に出てくる.

資本主義、消費主義という「家」住んで、雨漏りの穴を塞ぎ、割れたガラスを新しくし、曲がった柱を支えるために別のくいをうち、次々に困ることが出てきて、その場しのぎの修理をしても所詮は、資本主義という家には構造上の欠陥がある.だから一時の修理を繰り返しても、いつか家は潰れてしまう.

日本国内のことでいうと、日本という家には構造上の問題がある.上記と同様にいくらその場しのぎの修理をしても、根幹にあるものが、欧州レベルの真の民主主義にならない限り、日本という家は潰れてしまう.そして、欧州レベルの民主主義が実現できたとしても、世界を支配している金融資本消費主義崇拝から脱却しない限り、潰れてしまう、どちらが先にくるかは、解らないが・・・

追記:最近ある科学者、天然痘を絶滅させ現在豪州の大学教授が「人類の絶滅まで100年ぐらいだろう」という一年前の発言を読んだ.:http://bit.ly/o3VZBX
彼によると、地球の人口過剰と抑制のできない大量消費のために、人類は100年以内に絶滅する.もうすでにどんな環境対策や人口抑制をしても遅過ぎる.彼の予想では、2014年の時点で、世界中で紛争や暴動、飢餓が起こっていれば、間違いなく人類は滅亡する.この人口爆発と大量消費は産業革命から始まった.そしてそれは、過去の大氷河期や大隕石が地球に落ちたと同様の衝撃である、と.(紛争や暴動、飢餓は世界中ですでに起こっている)

最近出た別の人が書いた記事も衝撃的「第三次世界大戦への行進」:http://bit.ly/nPqkDT
同じように、原因は抑制のできない人口爆発だと言う.人口問題は最後のタブー、私はその問題を扱った記事を集めたサイトをやっている.英語だけど、ぜひご覧ください:http://www.scoop.it/t/overpopulation

追記2:写真はギリシャの田舎町.漁師さんたちはとても古い小さな船で、自分で獲った魚を直接人々に売る.大金を稼ぐための仕事ではなく、今日明日の生活のために漁師をしている.